化学はクリエイティブな「モノづくり」に近い世界!「化学×アイデア」でみんなが楽しくなる社会に貢献していきたい
中川鉄水さんは、水素エネルギーの若手研究者でありながら、書の作品を作っていたり、卓球チームに所属していたりとマルチな才能の持ち主。
話を聞けば聞くほど魅力がドンドン出てくる人間力が高い方だなと感じました♪
化学や理系に苦手意識がある方も、中川さんの話を聞けば視野が拡がると思います。
取材日:2017.11.28 インタビュワー:黒瀬 圭の詳細はコチラ
今日はよろしくおねがいします!中川鉄水さんは広島出身で1981年生まれ。僕と同級生ですね♪現在、どのようなお仕事をされていますか?
鉄水 ですね。同級生です。
はい!生まれ育ちも広島で、広島県人会にも所属してます。
現在は、琉球大学の理学部 海洋自然科学科 化学系 で助教をやっています。
研究分野としては「水素(エネルギー)」や、エネルギーや資源の再利用を研究する「リサイクル化学」といったところですね。
難しく聞こえるかもしれませんが、意外と暮らしに密接していて、そんなにとっつきにくい内容だとは思ってません。
あと、最近から小学生や子ども向けに化学の公開講座を行う活動も行っています。
なるほど。エネルギー関係や資源は、生活と繋がりが深いですもんね。子ども向けの公開講座も気になるので後ほど詳しく聞かせて下さい♪
鉄水 はい。何でも聞いて下さい。
よろしくおねがいします。
そもそも数学って何で必要なの?
いきなり、こんな失礼な質問で恐縮です。
僕は超文系で理系の分野に苦手意識がありまして。。
で、たまに「足し算、引き算、掛け算、割り算とかは生活に必要だから分かるけど、因数分解や方程式は生活の役に立たないし、勉強する必要があるの?」っていう事をいう人がいるんですけど、こういう意見についてどう思いますか?
鉄水 なるほど!笑
えっと、ですね〜。
まず、考える過程で、人って考えれば考えるほど頭が良くなるんですよね。
頭が良くなる過程の訓練というか。
思考するパターンっていうのは必ず経験になるので、「あっ、これはこういう事に当てはめて考えられるな!」とかですね。
思考パターンが構造として考え方の枠を作って、それが実生活にも活かされていったりするんです。
それは必ずしも数字や計算に関係することばかりじゃなくてね。
あとは、「物理」や「化学」に対して、数学は言語のようなものなんですよね。
なるほど!!物理や化学に対しての言語のようなものと聞いて、スゴく腑に落ちました!言語を学習することは目的じゃなくて、コミュニケーションのための手段ですもんね。
鉄水 そうです。
基礎とか土台として必要な共通言語のようなものですね。
幼少期。化学、エネルギーに興味を持ったキッカケ
では、まず幼少期の頃の話から。中川さんは小さい頃から化学に興味はあったんですか?
鉄水 小さい頃・・。あ〜、そうですね。
確かに振り返ってみると、子どもの頃は、モノを分解したりして、見てたりしてましたね〜!
で、必ずネジが余るっていうw あのよくある感じは結構、体験してましたね。
あと、僕は小学生の頃、いきなり天文学者になる!!って言い出したんです(笑)
でも、それは漠然としてて、星・天体が好きだからっていう理由だけで。
大学の物理学科に入って「天文学をやろうかな?」とも思ったんですけど、結局、天文学の方には進まなかったですね。
ご両親の影響などもありました?
鉄水 いや、ないですね〜。
親は寿司屋でしたからね(笑)
あ〜でも、唯一あるとすれば・・・
店頭に本とか雑誌って置いてるじゃないですか?
その中にNewton(ニュートン)っていう科学雑誌があって、それを読んでたって事はありますけどね。
そういう部分ではマセてしましたね。
Newton!!でも、小学生には難しくないですか??
鉄水 いや、意外とですね。ニュートンって絵とか写真が綺麗じゃないですか。
だから「こういうのは、こういうもんだ」って思っちゃう。
で、相対性理論とかああいうものも、難しい数式とかも書かれてなくて「これは、こういうものだよ」って教えてくれるので、小学生高学年ぐらいなら読めるんですよ。
特集とかだったら。
もちろん全部を理解してるわけではないんですけど、概略的にはこういう感じかなって。
小学生の頃から相対性理論って。。笑 その後はどういう感じで進んでいったんですか?
鉄水 僕は生まれも育ちも広島という事もあるんですけど、元々、広島大学には行きたいと思ってたんですよ。
で、先生の勧めもあって、広島大学の物理科学科に進学しました。
博士を出るまではずっと広島大で、その後3年ぐらいアメリカに行きました。
元々、海外に行きたいという想いを持っていて、ご縁とかタイミングもあって、勇気を出して海を渡りました。
僕が行ったのは、アメリカのロスアラモス国立研究所のマテリアルケミストリー(材料化学)という研究室なんですけど、ロスアラモスって実は、原爆を作ったところなんですよね。
「広島からなんでロスアラモスに行くんだ!?」って話なんですけど、そこは過去の事実として受けとめるだけで、僕たち研究者は未来を良くするために研究しているわけなので、そこは強く意識はしませんでしたね。
ただ、ロスアラモスの図書館に「はだしのゲン」の英語版を寄贈したり、それぐらいの事はやりました。
アメリカから帰ってきてからは2ヶ月程、筑波大学にいて、その後はずっと琉球大学ですね。
化学はクリエイティブな「モノづくり」に近い世界!「化学×アイデア」でみんなが楽しくなる社会に貢献していきたい
中川さんは、現在、水素エネルギーを研究されてますよね。また先日お会いした際に「材料を作る仕事」という表現をされてました。今の分野に進んだのはどういう経緯だったんですか?
鉄水 う〜ん。そうですね。キッカケ・・・、あったかな〜。
たまたまという気もするんですけど。
えっと、そうですね。
元々、自分は使命感というか・・。
小さい時に、エネルギー関係に行きたい!って思ってたんですよ。
そのキッカケっていうのは、たまたま見たニュースで、オイルショックというか、「石油が後何年で枯渇するかもしれない!」っていう内容をやってて、子どもながらに「え〜〜っ!!」っていう衝撃をうけて、それがずっと心の中に残ってたんですよね。
なので、エネルギー分野への興味はずっとあって、それが大学で4年生になって研究室を選ぶ時の最終的な判断にも繋がったのかなと思いますね。
「マテリアル」とか「水素をエネルギーに」とかって良いじゃん!って先生に勧められて、それで自分で調べてみて「面白そう!」と感じたので、大学院で違う学部の研究室に移動しました。
で、そこが「水素の貯蔵材料」を扱っていたので、材料を研究し始めたのがキッカケですね。
モノづくりは元々好きだったんですけど、「材料」自体に目が向いたのはそこからです。
「ここをこうすれば良いね。」ってやっているうちに、また新しいアイデアが湧いてきて「材料って面白いね!」「拡がるね。何でも作れるね♪」っていう風にのめり込んでドンドンやっていった感じですね。
そういう経緯があったんですね。今、研究されていたり活動される中で今一番熱い!というかワクワクする取り組みはどんなこどですか?
鉄水 自分が研究している水素エネルギーの分野でいうと、今、県のプロジェクトで携帯電話とかのポータブルバッテリーに水素を使うっていうのがあって。
僕が使っているアンモニアボランというとても単純な材料があるんですけど、それは窒素とホウ素と水素しか入って無くて、そこから水素を取り出して、それを燃料電池に繋いで電気を充電するっていう仕組みですね。
資源をエネルギーとして利用する工程は「製造」→「貯蔵・輸送」→「利用」という流れになるんですが、水素エネルギーで言うと、この貯蔵の部分の技術がまだそこまで確立されていないんです。
沢山の水素を貯める材料を開発したという点が評価され、「アンモニアボランに水素を入れ直す方法を開発した」という内容で、学術雑誌の最高峰「Science誌」にも掲載されました。
Science誌!まだまだ研究は道半ばという想いだとは思いますが、一つの勲章ですよね♪
鉄水 ありがとうございます!
で、これが面白いのが・・・
「アンモニア」って尿からも取れるし、結構どこからでも取れますよね??あと、ホウ素も実は植物とかにも多く含まれているので、要は全部、自然の中に存在するものなんです。
だから、理想としては、全部自然から取れて、どこでも作れるエネルギーということなんです。
これが安く作れるようになれば産業が回るし、エネルギー面から見た時に、「持続可能な社会」を作るための手段の一つになるのかなと考えています。
持続可能な社会。まさに時代に求められている事ですよね!それで、すみません。これだけ聞いても、正直、まだ「材料・マテリアル」の研究っていうのがピンと来なくて。
鉄水 えっとですね。
単純な話、「こうするために、必要な材料は何か?」っていうことなんです。
例えば、「コップ」とかだったら、水を吸うようなものだったらコップになれないですよね?
だから、水を吸わないような材質で出来たコップが欲しい訳です。
となると、普通に紙じゃだめだけど、紙でも、例えば「コーティング」すれば大丈夫とかですね。
だから紙コップが出来ている訳で。
そういう小技というか、「目的を達成するためにどんなものが良いのか?」っていう事を考えて、仕様を決めて、その仕様のとおりにデザインして実現し、実用化する。
そういうのが材料の科学って事ですね。
なるほど!わかってきました。紙コップも「軽くて持ち運びしやすい」、「大量に生産できてコストも安い」そんなコップが欲しい!といったニーズがあって、そのニーズに対して材料を科学する事で実現された結果 誕生したという事ですね。
鉄水 はい。そういう感じです。
「こうなったら良いよね。便利だよね。」「こういうものが欲しいよね。」っていうニーズがあって、それをどう実現するか?どうより良いものにしていくか?っていう試行錯誤の過程が、モノづくりに近いんです。
世の中を良いものに変えていく、新しい価値を創るっていう、スゴくクリエイティブな世界なんですよね。
!!モノづくり、クリエイティブというワードを聞いて、今、衝撃を受けてます!僕の中で「化学の分野の勝手なイメージ」が、モノづくりとかクリエイティブに全く結びついていなかったので。
鉄水 なるほど。
そうですね。僕は、基本的に「アイデア」ですね。
アイデア中心というか、自分の中でアイデアが沢山あって、それを実現したいですし、それをやっているうちにまた新しいアイデアが浮かんでくるので。
イノベーションというか、とにかく面白いことがしたいんですよ、要は。
もちろん何でも良いわけでは無いですけど。そこは、自分のポリシーに従って。
僕自身「アイデアとか企画」が大好きで、その部分だけで仕事がしたいぐらいなので、ものスゴくワクワクしてきました♪
鉄水 基本的に、アイデアが出ても、自分がパッと思いつくものって、大体、誰かがやってたり考えていたりするんですよね。
でも、それをプラスアルファもっとスゴイところにするというか、絶対誰も思いつかない、出来ない事をやるには、やっぱりそこには何かしらのハードルがあるんですよ。
出来てないってことは、絶対何かそこにハードルがある。
もしくは、既に他でやられていたとしても「何か穴があるんじゃない?」「もっと上手いやり方があるんじゃない?」って考えるんです。
で、その「考える過程」、その後の「実現する過程」というのは、技術とか基礎力がモノを言うんですよ。
だから、そこをうまくするために、どうすれば良いか?という事を常に考え続けて実現していくのがスゴく大事なんです。
あれですよね。
アニメーターさんや漫画家さんとかが「これを描きたい!」って頭に浮かんでも、それを実際に描けなかったらダメですよね。
やっぱりクリエイターさんに近い感覚なんですよ。
うわ〜っ!もう価値観として本当に共感します!ただ、自分の場合、サービスを考える時に「実現可能性ありき」で企画を考えてしまって、飛んだ発想ができない場合もあって。。実現可能性って、結局自分が今まで培ってきた・・・
鉄水 そうです!
基礎力ですよ!
ですよね。基礎力がここだから、ここしか想像できないというか。ちょっと背伸びしたとしても限界が決まっちゃうというか。でも、基礎力を伸ばす努力を続けていれば、自然とアイデアの到達点も上がるって事ですよね。
鉄水 そうそう!
僕は思考のプロセスとして、3つの視点が無いといけないと思っていて・・・
- 自分の底辺というか、あって当たり前レベルの、誰でも思いつくだろうなっていう程度のちょっとした思いつき
- 自分が出来る中での「あっ、コレは!」っていう発想とか、積み重ねてきた想い
- 「実現できんけど、もう、これがあったら本当にスゴイな!」っていう、アトムの世界、未来の世界じゃないけど、「これがあったら世界が変わるぞ」っていうようなアイデア
で、そこまで行けるのか?どこまで行くか?という感じで、この3つを繋げる作業をしていく。
そういう発想のプロセスを経る方が良いのかなって思ってます。
スゴく参考になります!!中川さんは、エネルギーとか資源というテーマに身を置きつつ、価値観としては「これをこうすれば、もっと良くなる」とか「世の中をもっと良くする」という部分にアイデアを発揮していきたいという事なんですね。
鉄水 そうですね。
僕の行動原理ってシンプルで「みんなが楽しくなれば良い」って事なんですよね。
そこに自分の能力を発揮していくというか。
最近は教育への意識も高いですし、昔から心理学にも興味があったり、他にも卓球とか書道とか色々やってるので、よく周りからは「何を目指してるの?」とか言われれるんですよ。
でも、ちゃんとそこには自分なりのポリシーがあるし「今に分かるから、見といて」っていう風に言ってます(笑)
中川さんの興味のある分野や活動
本当に色々な活動されてますよね。卓球や書道の話の前に、まずは「子ども向けの公開講座」など、教育面の話を聞いても良いですか?
鉄水 はい。
公開講座では「水素のチカラ」と「身近な化学」っていうのをやっていて、最近からは子ども達向けの講座にも力を入れています。
沖縄自体が理系というか理学というか、「製造業が少ないから学力レベルが低い」ってよく言われるんですけど、そうでもないんじゃないかな??と思っていて。
そもそも、小さい頃から「理科に触れる機会が少ない」から、理系の子たちが少ないんじゃないかな?って思うんです。
なので、理科に触れてもらう機会を作る意味でも、公開講座のような活動をした方が良いなと思って。
公開講座をやり始めたキッカケは、普天間 伊織さんという女性が「おきなわゆめみらいフェスタ」っていう子どもの貧困や不登校の問題、子どもの未来について考えるイベントをやっていて、その時に教育振興会のブースの方と「何か一緒にやりません?」って話になったんですよね。
「子ども達に向けて、是非何かやって欲しい!」という要望と「教職を持っている学生たちが練習する場、活躍する場があったら良いな♪」という、ニーズとシーズが一致したという感じですね。
なるほど。そういう事なんですね。研究室に在籍している学生さんたちに普段からよく伝えている事などはありますか?
鉄水 よく実験をやるんですけど、「実験は準備が8割、本番が2割だよ!」という事は言っています。
「こうすればこうなるよね」っていう事をしっかり議論して考えて、仕様を決めて、デザイン・設計する。
そういう基本の部分を徹底しないと本番はうまくいかないし、実験自体が意味のないものになってしまうので。
確かに、仮に失敗したとしても過程の部分がしっかりしていないと、どこが良くなかったかも分析しにくいし、失敗から得られるものも無くなってしまいますよね。
鉄水 そうなんです。
だから、過程がとても重要なんですよね。
後は、「無いものは作れ!」っていうのも基本ですね(笑)
みんな試行錯誤しながら楽しくやってくれていますよ。
研究室は色々な機械や装置があって面白いですね。分からな過ぎて触れるのが怖いですけど(笑)
鉄水 あっ、そうそう!このタンクの水なんだと思います??
実は除湿器から出た水を綺麗にしたものなんです。
最近からは「リサイクル化学」という分野の研究もしていて、例えば沖縄って湿度が高いので結構、除湿器を使いますよね??
この除湿器から出る水って、みんな勝手に「汚い」と思っているから普通は貯まった水は捨てるんですけど、調べてみたら実は予想以上に綺麗だったんですよね。
簡単な濾過装置を通すだけで、実験でも使えるぐらいの綺麗な水になるんです。
紅茶やお茶、コーヒーにして飲むこともできます。
水道水を浄水器に通すよりもよっぽど綺麗だし、コストもかからない。
毎年のように沖縄で「水不足だ」、「節水だ」って言われてますけど、実は活用できるのに捨てられている水があるんですよね。
こういう、資源をうまく活用して循環させていくという事もリサイクル化学の一部なんです。
確かに盲点ですね!リサイクル・資源の活用もエネルギーを生み出すことと同じぐらい大切なんですね
鉄水 そうですね。
僕がいたアメリカのロスアラモスは砂漠のようなところだったのでガンガン加湿器を使っていて、沖縄に来たら今度は除湿機を使うという真逆の事になったので「この水って・・・」という着眼点が生まれました(笑)
やっぱり「新しい視点を持ち込むのはよそ者」なんですね!笑
ここで、いきなり質問が変わりますが、卓球はいつからやってたんですか?
鉄水 卓球は小学生から始めて中・高・大はずっとキャプテン・部長をやってました。
母親が企業の卓球チームの選手で、その影響が大きかったですね。
僕自身は全国まであと一歩というぐらいでしたけど。
今は、「琉球アスティーダ」という卓球チームに所属しています。
プロ選手と一般枠の選手が混ざっているようなチームで。
福原愛ちゃんの旦那さんのジャン君(江 宏傑選手)もプロ契約で所属しているチームですね。
今は研究が忙しくて、卓球をする頻度が減ってるんですけどね(汗)
チームでプロ選手と混ざって練習できるって相当なレベルですよね!
続いてですが、書道や書の作品を作るようになったキッカケはあったんですか?
鉄水 書道は普通に習い事から始まって、中学で卓球部に入った時に一回止めたんですけど、それから半年ぐらいでまた再開しました。
そのキッカケが何か不思議な話で・・・。
夢を見たんですよね。
自分がスゴく綺麗な字を書いている夢を。
で「こんな字を書きたい!」ってなって、親に頼んだんですよ。
その後ずっと続けて、路上アーティスト?パフォーマー?のような形で、道端で「書」を売るほどにまでなりましたね(笑)
面白い流れですね(笑)この「水素どうでしょう」も良い感じです
鉄水 ありがとうございます!(笑)
例の番組と文字の太さとか、書体も似てるでしょw
もし研究室へ寄付をして頂ければ、お礼としてこの「水素どうでしょう」Tシャツをプレゼントしたり、名刺・看板等の名前や題字を書いたりもしていますよ。
あと、実は書道や卓球の他に、剣道もやっていて2段を持っています。
心理学も好きなので独学で勉強を続けていて、大学の学部を選ぶ時に教育学部の心理学科も有りだなと・・・迷った程です(笑)
本当に幅が広いですね!その上、深い!笑
鉄水 研究者は結構、興味のある事はトコトン追求したいというか、一番じゃないと意味が無い!という感じなんですよね。
周りにも研究や専門分野以外でスゴい特技を持っている人が沢山いますよ。
中川さんが提供できる価値、こんな人と繋がりたい
中川さんは自分と繋がれば「こういう価値を提供できるよ」という事や、「こんな人と繋がりたい」というイメージはありますか?
鉄水 う〜ん。提供できる価値というと難しいですけど。
こういう人と繋がりたいという話からすれば、広い定義ですけど「新しい世界を見せてくれる人」
こんなんあるよ!というかワクワクするような「すげえっ!」っていうのを見せてくれる人。
それが仕事と直接関係がなくても、そういう新しい視点が間接的に仕事に良い影響を与えると思うし。
新たな視点を持たせてくれる人ってことですかね。
研究や自分の仕事に関して言えば、産業界の人ですよね、要は。
モノ作りをやっている人だったり、工業関係とか。
「自分たちこういう技術持ってますよ」とか「こういう事で悩んでます」とか、そういう「モノを作っている人」ですかね〜。
そこに「化学×アイデア」で提案して、「より良くする」という部分に関わっていきたいという感じですね。
鉄水 そうですね!
できれば、理想は化学工業ではありますけど、そうじゃなくても、お互いの持っている良いものを掛け合わせて、相互作用させていけるような関係が良いですね♪
他にも、子どもの教育という分野もあるんじゃないですか?
鉄水 ですね!
子供たちに向けて公開講座をやったり、イベントを通じて化学の楽しさを伝える事もできるので、子供向けのイベントや教育分野で活動している人と繋がって一緒にやれたら面白いなって思いますね。
中川 鉄水さんからのメッセージ
最後に、「誰かに」「こういう想い、メッセージ」を伝えたいというものがあれば教えてください
鉄水 う〜ん。なんだろうな〜。
「みんな」っていうとアレですけど、やっぱり若い人ですかね。
子供たちというか、自分よりもっと若い世代の人達に。
「楽しくできるよ〜。楽しめば良いじゃん!」
「楽しみ方ちゃんと覚えなさい」
みたいな事ですね。
楽しみながら、自分だけじゃなくて周りも楽しくする・良くするような、そういう事をするためには、最低限 自分の能力を活かす必要があるし。
そのための力を身につけて、伸ばしていくって事が大事だと思いますね。
それぞれの能力を相互作用させて、世の中を楽しく、もっと良いものにしていく。楽しみながら!スゴく素敵です。中川さん今日はありがとうございました!!
鉄水 こちらこそ、ありがとうございました!
ここで取材は終了となりました。中川さん本当にありがとうございました!
中川さんはとても気さくで、知識や活動の幅が広い方なので、モノづくりや教育分野等の仕事として親和性のある業種の方はもちろん、中川さんに興味がある方、繋がってみたいという方も是非コンタクトを取ってみて下さい♪
きっと知的好奇心がくすぐられる良い刺激が受けられると思います。
中川 鉄水(ナカガワ テッスイ)/研究者
広島県出身。
広島大学で水素エネルギー、水素の貯蔵材料という研究テーマに出会い、卒業後はアメリカに渡り渡り研究を続ける。
帰国後は筑波大学を経て、琉球大学に籍をおき、沖縄を拠点に研究及び学生の指導を行っている
琉球大学 理学部海洋自然科学科化学系 助教 博士(学術)
住所:琉球大学 理学部本館120室
URL:http://www.cc.u-ryukyu.ac.jp/~tessui/HE-Lab/
中川 鉄水さんと繋がるには?
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編集後記
インタビュワー:黒瀬 圭 Kei Kurose(株式会社ドリームテラー代表)
理系の分野に苦手意識があった僕は、「化学」というと、元素記号や複雑な方程式のイメージが強かったのですが、中川さんの話を聞いて、化学はクリエイティブなモノづくりの世界という事に気づかされました。
自分の勝手なイメージや物事の捉え方が、いかに浅いかを思い知らされ、同時にそれは非常に勿体ない事だなと感じました。。
「反省」と「喜び」です!
今後のインタビューだけでなく、実生活でも、もっと知的好奇心を全開にして、色んな事を深掘りしていきたいと思います♪