誰にも真似出来ないと言われる役者を目指して。挫折で一度ゼロになったからこそ、失うものは何も無い
津波竜斗さんは演劇を中心に活動を始めたばかりの新人の役者さんです。
にも関わらず、既に色々な舞台に出演していたり、周りからは「これから期待の若手」という感じで、強く期待されている印象を受けていたので、一体どういう魅力のある人なんだろう??と興味津々でインタビューがスタートしました。
取材日:2017.12.03 インタビュワー:黒瀬 圭の詳細はコチラ
竜斗君、今日はよろしくお願いします!早速ですが、竜斗君は出身は沖縄・・ですよね?
竜斗 そうですね。
見た目の通り(笑)
沖縄の読谷村の出身です。
小さい頃はどんなお子さんでしたか?
竜斗 えっと、僕は小学校1年生の時から、柔道と野球をやってたんですよ。
親父が格闘技が大好きで。
まぁ、やる方じゃなくて見る方専門だったんですけど。
昔、TVでもK-1とかPRIDEとか盛り上がってたじゃないですか?
あれを見てるのが当たり前の環境だったので、僕も自然と興味を持って「闘うような強い男になりたい!」って思ってたんですよ。
それである時、親父が「近場に道場があるから見に行ってみるか?」って言って・・
殴り合う格闘技のイメージで行ったら、そこは柔道の道場で・・(汗)
でも、話を聞いたら「受け身を間違えたら骨折するかもしれない」って話を聞いて、「骨折」ってワードに心を動かされちゃったんです(笑)
「こんな危険なスポーツ、カッコ良すぎる!!」と思って、小学校1年生の夏休みから柔道を始めました。
柔道が先だったんですね。柔道をやり始めたのに、同じ小1で野球も始めたんですか?
竜斗 ですね。
兄貴が元々野球をやっていたので、その影響で、柔道を始めた同じ年の冬に野球を始めたんですよ。
で、小学校4年生までは、ずっと柔道と野球を掛け持ちでやってて。
だけど、柔道があまりにも厳しかったので〜・・・。
竹刀でバンバンしばかれてたんですよ(笑)、監督さんに
昔ならではのスポ根系ですね(笑)強い選手を輩出する感じの道場だったんですか?
竜斗 あ〜〜、そうですね。
僕が行った高校、沖縄尚学って柔道も強いんですよ。
で、沖尚に行ったら、道場時代の先輩とかが結構いたんですよ!
「あ〜、お久しぶりです〜!!」みたいな感じで。
だから厳しかったけど、強かったですね・・・皆。
野球の方はクラブチーム?野球部ですか?
竜斗 学校の部活ですね。
読谷小学校、読谷中学校の軟式野球部にいました。
中学校は沖縄県大会で2回戦で負けるようなチームだったので。
そうなんですね。でも、高校は沖縄尚学。野球かなり強いですよね?
竜斗 そうです。
沖縄尚学です。
野球は強いですね。
中学校が弱いチームで、しかも軟式で。そこから沖縄尚学ってスゴくないですか??
竜斗 元々ピッチャーやってたんですよ。
それで、ありがたい事に色々なところからスカウトの話を頂いて。
当時、東浜巨さんって、今ソフトバンクにいる選手が、僕が中学1年生の時に選抜で優勝したんですよ。
それで、「あの沖縄尚学のユニフォームを着たい!」って思って、たまたま沖縄尚学さんからスカウトがきたので、迷わず「行きます!」って返事をして進学したんです。
スゴい!かなりのサクセス・ストーリーの予感が!
竜斗 それがですね〜。
途中で肩を壊してしまって・・・それで野手に転向したんですよ。
最後の夏はギリギリベンチに入れたという感じで。
春まではレギュラー番号を背負わせてもらってたんですけど、出る機会は少なかったですね。
そうだったんですね。やっぱり挫折感は有りましたか?
竜斗 高校時代は有りましたね。
挫折感・・・。
もう、劣等感だったり、色々有りましたね。
それでも最後まではやり切ったんですよね?
竜斗 まあ、やり切ったというか・・
とにかく部活は、最後までやりましたね。
ただ、「もうこれ以上、上のレベルではもう無理だろうな・・・」って自分で悟って。
高校終わってからは「もう良いかな〜」という感じで。
卒業して、大学には進学したんですか?
竜斗 そうですね。
大学に進学しました。
自分達というか、津波家って公務員が多くて。
親父の兄弟には校長、教頭とかもいたりするぐらいなんですよ(笑)
大学はどちらに?
竜斗 大学は沖縄国際大学なんですけど。
親がずっと言っていたのは、やっぱり沖縄なので公務員が一番良い・・・と(笑)
安パイに良いっていう感じなので、「野球を辞める」ってなってからは「公務員になりなさい」って言われましたね。
「じゃあ、警察官になりなさい」「消防士なりなさい」という感じで、とりあえず大学には行ったんですけど、ただ、勉強には身が入らず・・・。
「何かやりたい事じゃないな〜」っていう事で。
っていう時に・・。
あの〜、この「演劇」に繋がっていくんですけど。
そもそも、その演劇も小学校3年生まで遡るんですけど、大丈夫ですか?
もちろん、もちろん!そういう話を聞きたいので(笑)
竜斗 小学校3年生の時に・・・学芸会ってあるじゃないですか?
ベタなんですけど、目立ちたがり屋だったので、「主人公をやりたい人??」って聞かれた時に、誰よりも先に手を挙げたんですよ!笑
そういう時って「やりたくても、すぐ手を挙げるのは恥ずかしい」って感じで、一瞬様子を見るじゃないですか?
その隙を逃さず、ガンッ!って手を挙げて(笑)
それから俺もやりたい、俺もやりたい!って出てきたんですけど「竜斗が一番早かったから、じゃあ竜斗にします」ってなって。
なるほど。その時はどういう内容の劇だったんですか?小学校だとみんなが知っているような。
竜斗 いや、先生たちが書いた脚本だったと思うんですけど。
僕がイジメっ子の役だったんですよ。
で、最初はイジメっ子とイジメられっ子の関係が描かれるんですど、ドッヂボール大会をキッカケにイジメる事に対して「ゴメン・・」みたいな感じになって、友情が生まれていくというような・・・そんな話だった記憶がありますね。
えぇ〜!!自分たちの時なんて、先生が脚本を作るなんて、そんな事一切なかったです。小学校とかなら、本当にしょうもないというか・・笑 浦島太郎とか桃太郎みたいな、ああいうものを軽くアレンジする程度の。
竜斗 (笑)
確かに、今考えたら、よく書いたなぁ〜って思いますね。
今でも、役名って覚えてます。
僕が「けんいち」っていう役で、イジメられっ子が「たかし」でしたね。
イジメる側の役だったんですよね?
竜斗 そうです。僕がイジメる側です。
やっぱり主人公だったので、周りよりも台詞が多くて、それは嬉しいっていうか「多いなぁ・・」って感じだったんですど。
でもそれを覚えて、本番、生徒や父母の方の前で台詞を言う、台詞に合わせて動いたりとか、成功した時の達成感とか拍手とか、その感じが忘れられなくて、ずっと。
子どもの時って、桃太郎の鬼退治みたいに、勧善懲悪というか、敵役が居てそれをやつけるような構図がわかりやすくてベタですよね。
竜斗 そうですね!
はい。
子どもの時はベタで良いと思うし。
竜斗 (笑)
そうですね(笑)
イジメがテーマだとしても、のび太くんの成長を描くドラえもんみたいにイジメられている側にスポットを当てそうなところを、イジメる側に主役としてのスポットを当てるという・・。
竜斗 はいはい。
確かに、小学生ぐらいなら、イジメられる側にスポットを当てるのがベタかも知れないですね。
あの当時はテーマとかメッセージ性とか考えもしなかったですけど。
イジメる側が主人公で、気づきがあって、葛藤があって、徐々に友情が芽生えていく。そんな脚本・演出を小学生につけるっていうのが、本当にスゴイなと
竜斗 そうですね。
だから、もしかしたら・・ですけど。
もし、その時の劇が、小学生だからこんな感じだよね・・っていうような、ベタで無難な内容だったら、あの時感じたような感動はなかったかもしれないですね。
なるほど。小3でそういう経験をして、その後は舞台を見に行ったり、演劇に触れる機会はなかったんですか?
竜斗 いや、もう何にもなくて。
親が厳しかったので。
「お前は本当にプロ野球行きなさい!!」ってガチで言われたので。
じゃあ、大学で演劇にどう結びついていったんですか?何かキッカケが?
竜斗 それで・・。
この公務員っていうものに対しての勉強が全く捗らなくて・・。
「俺のやりたい事じゃない!!」
「じゃあ何がやりたいんだろう??」
って思った時に、いきなり「けんいち」がドーンッ!!ってきて。
小3の時の景色とか、あの面白さがボーンって出てきたんです。
じゃあ、何かキッカケっていうよりも、何がやりたいのかを自問自答する中で急に「けんいち」が。
竜斗 そうなんですよ。
「あっ、演劇だ!!」と思って・・。
「俺は演技がしたい!」と思ったんですよ。
その時が大学2年生。
ちょうど20歳の時だったんですけど。
その時って、演技というか芸能の方面に何かコネクションとかはあったんですか?
竜斗 一切、なかったんですよね。
「演技がしたい!じゃあ、どうしよう。」ってなった時に、「とりあえず東京に行った方が良いのかな??」なんて考えたりして。
で、「とりあえず、大学は辞めよう!!」ってなったんですよね。
大学2回生が終わって、3回生に上がる前に退学届けを出して・・。
親もスゴイ説得して。
ズバッと辞めきるのはスゴイですね!自分が10年以上沖縄にいる中で「大学生を休学して勉強中です、自分探し中です」って人は何人か知ってるんですけど、ズバッと辞めきった人ってほとんど居なかったので。
竜斗 あの時は・・。辞める時も・・。
親が本当に厳しかったので。
もう殴られても良いって覚悟で、「もう良いよ、殴られても俺はやりたいものをやりたい!って突き通そう」って思ったので。
そしたら意外と・・。
すんなりって訳ではなかったんですけど、基本「やりたい事はやりなさい。ただ、最後まで責任を持ってやりなさい」っていう教育を受けていたので「あんたがそこまで言うんだったら、応援はする。ただ、最後まで責任を持ってやり通しなさい!」って言って、許してもらえたんですよね。
大学からも「退学の場合でも、何歳までに戻ってきたら、3年生から続きができますよ。それとも完全退学っていうのも有りますが、どちらを選びますか?」って言われて・・
「ここで、保険作ってるようじゃダメだな〜」って思ったんで、完全退学の方を選びましたね。
なるほど〜。まずは大学を辞める事がスタートだったんですね。
竜斗 辞めるところからでしたね〜。
で、「とりあえず東京に行こう!」って事で、東京の某タレントプロダクションのオーディションを受けに行ったんですよ。
1日完結型っていう形のオーディションで、1日で1次、2次、3次、ファイナルの審査まであって。
たまたまですけど、それに合格させてもらったんですよ。
オーディションっていうのは、プロダクションに所属するための?
竜斗 まずは養成所に入って、それから結果を残し始めたら正式に所属できる・・って感じですね。
で、そんな感じで受からせて頂いたんですけど、ただそれからのやり取りが・・・ちょっと。
えっと・・・養成所の学費というか金額面が思っていたよりもかかるので、対応出来なかったというか。
卵育成ビジネス感を感じてしまったという感じですか?
竜斗 う〜ん、まぁ、そういう事なのかは分からないですけど、とにかく想定してたよりもだいぶお金がかかる感じだったので。
とりあえずオーディションに受かれば道が開ける!って簡単に考え過ぎてましたね(汗)
それで、ちょっと「ホントにすみませんッ!!」って事でお断りさせてもらって・・・
「さあ、こっからどうしよう!またゼロに戻ったぞ・・・」ってなった時に、たまたま僕の家の近くに「沖 直未さん」っていう東京でずっと女優をやられていた方が、沖縄に帰ってきて自営業の居酒屋をしている
で、そこに直未さんがやってる劇団があるよっていう情報を仕入れたんですよね。
「これは行くしか無い!!」ってなって、親父と一緒に飲みに行ったんです。
でもその時、僕、極度の人見知りだったんで・・、直未さんにも話しかけられず(汗)
結局・・、恥ずかしいんですけど、全部 親父が喋ったんですよ(笑)
で、後日電話でお話させて頂いて、改めてお会いして話もして、直未さんがやっている「Team Jasper+(チームジャスパープラス)っていう劇団の稽古の見学においで」って言ってもらったんですよね。
それから3ヶ月ぐらい通わせてもらった後に、入団というか正式に劇団に所属するという形になりました。
なるほど〜。でも竜斗君としては、その時点では演技のイロハも何も分からない状態ですよね。入って最初は、基礎を学ぶ練習みたいなものがあるんですか?それとも、舞台に向けての練習の中で学ぶんですか?
竜斗 他のメンバーは、そもそも演技だったり人前に立つような活動をやっていたので、各々の活動をしながら週に1回ジャスパーが集まって稽古をするという感じなんですよ。
みんなは各々の本番に向けてやりながら・・っていう中で、僕は全く何もないので、ここで学ぶ事が全てというか・・。
みんなと同じ稽古をやりながら、でもイロハも知らないので、「こっちはこういう風に読んだほうが良いよ」とか「こういう時はどういう感情〜」とか、ここで色々な事を教えてもらって、それからチームメイトからの紹介で一緒に舞台に出させてもらったりして・・。
もう全てが勉強でしたね。
もちろん、今もですけど。
チームジャスパープラスとして自主企画の公演などもあるんですか?
竜斗 そうですね。
今年2017年4月に旗揚げ公演があったんですよ。
来年の4月にまたあるんですけど。
あっ、じゃあ旗揚げ公演までの期間は、竜斗君もチームジャスパープラスではなく、別の舞台に出演していた感じですか?
竜斗 そうですね。
僕がジャスパーに入ったのが去年、2016年の8月なんですよ。
で、初めて舞台に出させて頂いたのが、10月で。
その時は台詞はなくて、アクションや動きで見せる感じだったんですけど。
それから1ヶ月後ぐらいに琉大ミュージカルっていう琉球大学の自主公演に出させて頂いて、そこで初めて台詞をもらって。
その時に色々な方と繋がりを持たせて頂いたんですよね。
それから4月のジャスパーの旗揚げ公演・・という流れですね。
なるほど。そこから更に拡がっていった感じですか?
竜斗 ジャスパーのリーダーの渡久地 雅斗さんが、演出家の畠山貴憲さんの「永遠の一秒」という舞台に特攻隊の役で出てて、リーダーが「来年是非、お前には永遠の一秒に出て欲しい」って言ってくれて。
で、ちょうどジャスパーの4月の公演が終わった後に、永遠の一秒のオーディションがあったので受けに行って、そこで初めて演出家の畠山さんと会ったんですよね。
有り難いことに、特攻隊の役をやらせて頂く事もできて。
そこから、別の舞台でオカマの役をやらせて頂いて・・
で、現在に至る・・って感じですね。
そうだったんですね。畠山さんもインタビューさせて頂いて、早く「永遠の一秒」も観劇したいって思ってます!ところで、オカマの役って・・。
竜斗 (笑)
あっ、オカマ・・・。
引っかかりました?笑
「心の花」っていう若年性の認知症をテーマにした作品で、大城優紀さんっていうマンガ倉庫とかのCMにも出られている女性と共演した舞台だったんですけど、そこでゴリゴリのオカマ役をやらせて頂きましたね(笑)
もうジャスパーに入ってからの1年間で、信じられないぐらい人生が変わりました。
その後に、舞台とは違うんですけど、琉球国王という大役を仰せつかることにもなって(笑)
舞台ではなくて、琉球国王!?それってどういう?
竜斗 えっとですね〜(笑)
キッカケは演劇関係のご縁で、オーディションがある事を教えてもらったんですけど。
沖縄と言うか、首里城だったり、首里城の歴史っていうのを、より分かりやすく観光客や沖縄県民に伝えていく目的で「首里城祭(しゅりじょうさい)」というお祭り、儀式のようなものが毎年11月にあるんですよね。
冊封使行列・冊封儀式を再現したイベントで、その中の国王役と王妃役は毎年オーディションで選出されるんですよ。
その国王役に選ばれたって事ですね。
そういう事なんですね!オーディションは結構大変でしたか?
竜斗 最初は書類審査で、男性5名、女性5名まで絞られて、その後はもうファイナルだったんですけど、首里城正殿前に会場が作られての公開オーディションだったんですよ(笑)
沖縄県民の方だったり、観光客が800人ぐらい見てて、その中でスピーチとか自己PRとかをするんですけど、僕エントリーNo.1番だったんですよね(汗)
漫才コンテストとかだと、一番不利と言われる・・笑
竜斗 そうなんですよ。
一番嫌なヤツやんッ!!
僕が基準になるから・・絶対無理やん!って思ったんですけど。
「じゃあ、その基準を上げれば良いわけだから、もうやるしかない!!」って切り替えて。
それで、たまたま受からせて頂いたんですけど。
おー!スゴイですね♪ 演技経験が浅い中で色々なオーディションに受かったり、周りの人が竜斗君を推していたりと、スゴく期待されている感じを受けるので、竜斗くんには天性の才能があるんじゃないか??と思ってしまうんですが。
竜斗 いや〜。
全然ぜんぜん、そんな事ないです。
まずは親が許してくれた事が一番ですけど、ずっと思ってるのが、チームジャスパープラスに出会えた事が本当に大きかったなと・・。
本当にメンバーにも恵まれてるので。
でも、本人にやる気があって、周りが手取り足取り教えてくれたとしても、芽が出ない人は出ないと思うんですよね。だから適正のようなものがある気がするんですが、何か周りから「お前の良いところは、こういう部分だ!」とか言われたりしますか?
竜斗 僕の良いところ・・。
どこなんですかね??
よく、良いって言われるのは、演技とどこまで関係あるか分からないですけど「声が良いよね」って言われますね。
後は、表情が豊かとか(笑)
今後、こういう風に成長していきたい!ってイメージは有りますか?
竜斗 いや、もう正直、ひとつこれだけ!っていうものは無いんですけど、本当にまだまだ何も出来るていると思ってないので・・。
とにかく、有り難いことに色々な舞台に出させてもらっている以上は、沢山の人と出会って、色々な感性を感じながら自分の演技に反映させていきたいな〜とかだったり。
「あっ、俺はこういう風に思ったけど、この人はこういう風に捉えて、こういう風に演じるんだ!ここちょっと盲点だったな・・。」という所をドンドンどんどん自分のものにして、後々は「あっ、コイツの演技は真似できないな・・・」って思われるところまでいきたいなって思います。
あとですね・・・。
多分、自分の子どもが俳優業をするってなって、親も相当な覚悟で承諾してくれたって思うんですよ。
正直、周りにも相当反対されたし、従兄弟からも「大丈夫か!?お前??」って言われたりしたんですけど・・。
そういう意味で「見とけよ!!」って気持ちもあるんですけど
やっぱり認めてくれたり、やらしてくれた親だったり、おじいちゃん、おばあちゃんへの恩返しとして、僕の頑張りを誇りに思ってもらえたり「あの時認めておいて良かった!」って思ってもらえるように、しっかり頑張りたいなって思いますね。
竜斗君は、今後こういう人に出会いたい、繋がりたいというのは有りますか?
竜斗 具体的には考えたことはないんですけど・・。
今までだったら「こういうタイプとは友達にならないな・・」って思っていたような人、自分の友だちにはいないタイプの人ですね。
見たいこと無い!だったり、自分とは真逆だったりする人とか、自分が持ってないものを持っている人に出会いたいですね〜。
価値観を壊してくれる人に出会って、幅を拡げたいという事ですね。
竜斗 そうですね。
幅がないと、結局何をやっても自分になっちゃうので・・・。
逆に、竜斗君から与えられる価値というか、繋がったらこういう影響があるよっていうものは有りますか?
竜斗 いや〜。考えたことないですね〜。
正直、今自分に何があるのか?ってわからないんですけど
熱い話は、するのも聞くのも好きなので、「とりあえず飲みに行こうっ!」って言いたいですかね(笑)
そういう意味では、自分の熱量を伝えるような事はできるんですかね〜。
最後になりますが「誰かに」、「こういうメッセージを伝えたい」っていう想いの部分を聞かせてください。
竜斗 さっきは舞台とか自分の活動については、ジャスパーと出会って、メンバーに恵まれたという事が大きいという話をしたんですけど、人生レベルでというか「あの時があったから、今があるな」っていうので一番デカかったのが「高校野球」なんですよ。
もう沖尚は本当に厳しかったので・・。
どんなに怒られても、「ヨッシャ~!!」って声出さないといけない。
気持ちはブルーでも、カラ元気でも良いから腹から声出さないといけない。
どんなに弾かれてもその人にアピールするとか。
で、一番心に残っているのが「野球で挫折しても、人生の勝利者になりなさい。絶対最後まで諦めるな!」っていう言葉なんですよ。
だからメッセージで言えば、部活とか受験でダメだったとか、それ以外でも、心が折れたり、挫折感を味わうような事があっても、絶対最後まで諦めてほしくないし、そこだけがその人の人生じゃないので、それ以外の分野で自分が活躍できるような場所を見つけて欲しいなって。
自分を見て、そういう風に思ってくれたら嬉しいなって思いますね。
なるほど〜。個人的には挫折の仕方というのもある気がしていて。やり切った上での挫折と中途半端に逃げたような挫折は違うのかなって。
竜斗 あ〜。
両方ありますね。僕の場合は。
途中でピッチャーが出来なくなったっていうやり切れない想いと・・。
でも、もちろん野球は最後まで続けるのは決めてたんですけど、野手に転向してでも、レギュラーにはなれなかったけど、ベンチに入れるところまでは行けた!っていうやり切った感。
もう野手に転向するまでは監督にボロクソ言われてたんですよね。
本当にキツかったんですけど、なにくそ〜!っていう感じで耐える、忍耐力も養われたと思うし。
それで言うと、やっぱり竜斗君はやり切ったんですよね。
竜斗 そうですね。
比重で言えば、僕はやり切った!という感覚が強いですね。
どんなに怒られても、キツくても声を出し続けてたので。
それこそ、舞台の稽古で演出家が怒って現場がピリついた時とかは、みんなシーンっとなって演技が硬くなったりするんですけど、そういう時に「ヨッシャ~!一発ちょっとかましてやろうかな?」とか「沖尚を考えたら、全然こっち大丈夫だわ」って思えたり(笑)
やっぱり、あの高校野球の経験があるから、怒られても良いから思い切って出来たり、逆にその思い切りが評価されたりする事もあるので、そこは本当にあの経験がデカイなって思います。
やっぱり竜斗君は「気合いの入った役者」って感じですね!笑 もし今いきなり東京のドラマ1クール出て!!って言われたら行きますか??
竜斗 もう即決で行きます!迷いもなく。
後々は東京に行きたいと思っているので。
沖縄では一生はやらないので。
ここで、まずこのチームに出会って・・。
沖縄でやりながら、東京で もしチャンスがあれば東京に行って。
ゆくゆくは東京に住んで、ジャスパーで演る時は戻ってきて・・っていうスタイルが良いのかなって思いますね。
なるほど。演技の経験値や自信には関係なく、チャンスがあればとにかく行ってみるんですね。
竜斗 行きます!行きます!
チャンスがあるんだったら行きます!
で、「お前なんて、まだまだだ!」って、叩かれても「絶対に諦めるな!」っていう監督、恩師からの言葉があるので、全然へこたれないです。
「どんどんdisれ!かかってこい」って感じですね(笑)
竜斗君、今日はありがとうございました!これからも「濃い時間」が続きそうですね。
竜斗 そうですね!笑
いつ仕事もらえなくなるかも分からないので怖さも有りますけど、色々な人に強い印象を与えていかないとなって意識で頑張ってます。
こちらこそ、今日はありがとうございました!
インタビューはこれで終了となりました。
竜斗君、本当にありがとうございました!
竜斗君の印象は、まっすぐで気持ちの良い、男が惚れる男という感じです。
ここまで、ビシっと気合いが入っている感じの人は周りには中々いません。
やっぱりトップクラスのレベルの打ち込み方でスポーツをやっていた人は違うんだなって感じました。
改めて考えてみても、竜斗君には「真っ直ぐ」という言葉が一番しっくりきます。
真っ直ぐに上を目指しながら、沢山の人を巻き込んで進んで行ってほしいですね♪
編集後記
インタビュワー:黒瀬 圭 Kei Kurose(株式会社ドリームテラー代表)
インタビュー後に、ナガセ・アイランドの舞台稽古を見学し、ゲネプロの写真撮影、本番の観劇をさせて頂く機会に恵まれ、竜斗君の演技もバッチリ拝見させていただきました。
竜斗君は、彼が喋るだけで空気感が変わるような、雰囲気のある役者さんで、周りの人が推す理由がよくわかりました。
その真っ直ぐな人柄そのままに役者の道を突き進んでいって欲しいし、スゴイところまで行きそうな予感がします♪